2011年 07月 31日
ベートーベンの「清潔」
(バレンボイム/クレンペラーによる演奏)
改めて感じたのは、「ベートーベンの音楽というのは、なんと真っ直ぐで清潔な音楽であることか」という事。
それは例えるならば、余計な混ざりもののない山の湧水を、手ですく上げて飲んだときに、その水が喉元を通り過ぎる時のような、冷たさと清潔さである。
若い時には、この清潔さと真っ直ぐな所を持つ音楽の味わいがあまりわからなかった気がする。
五十歳を過ぎて、改めてベートーベンという人の音楽の持つ本当の味わいが、深く深く心に染み入るような気がしている。