2011年 08月 17日
発見の宝庫としての『深読みシェイクスピア』
奇しくも女性翻訳家の本が続く。
この本は購入したまま積ん読になっていたけれど、佐平治さんのブログで紹介されていて「こんなに面白い本だったのか!」と早速読み始めた。
これは本当に面白い本で、シェイクスピアの戯曲を実際に上演していく中で、訳者が、原作の持つ凄さと役者という仕事の深さを再発見していく過程に、自分もまた参画しているような気がする。
『オセロー』でデズデモーナを演じた蒼井優が、原典を読んでいないにも関わらずシェイクスピアの微妙な意図に気づき、ある箇所の「あなた」という台詞に違和感を感じる。
それを聞いた訳者が原典をあたると、蒼井優が違和感を感じた部分の「あなた」という言葉は他とは違う表現だった…
等々、舞台に近い所で翻訳をしていなければ気がつかない発見が随所にあり、興味は尽きない。
これまた名著である。
松岡さんの本をまた予約しました。
随分昔に松岡和子さんの『すべての季節のシェイクスピア』という本を読んで感心しましたが、やはりこの人は凄いですね。