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『風の良寛』(中野孝次著、文春文庫)

良寛という名前を口にするだけで、何処か懐かしい気持ちになる。

中野孝次の語る良寛の姿は、人があるべき一つの桃源郷のようである。

「有為でなく、無為、鳥の声を聴き、白雲を見、自分自身が自然の一部になりきったような所にいて、それを退屈と感じない。感じないどころか、そこにこそ真の「道」がある。無限にゆたかなものがそこから流れ出てくる始源に自分はいる。ときにその静寂の中で座禅し、ときに詩を作り、晴れれば乞食に出て児童と遊ぶ。(中略)良寛は何も持たなかったけれど、時間に関する限りは、どんな王侯にもまさった時間大尽だった。時間のすべてが自分のためにあった。」

良寛の歌

「草の庵に
足さしのべて
小山田の
山田のかはず
聞くが楽しさ」

の境地を、今の僕は人としての至福と感じています。
Commented by k_hankichi at 2011-10-18 20:55
さういふ人のことを、僕らはしつかりと胸のおくに憶へてゐる。
Commented by maru33340 at 2011-10-18 21:33
良寛の
やうに生きたや
心一つ
何持たずとも
ただ満ち足りて
by maru33340 | 2011-10-18 18:28 | お勧めの本 | Trackback | Comments(2)

音楽・本・映画などについての私的な感想


by maru33340
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