2012年 03月 06日
椎名林檎の暴力と半音階の官能
その捨て鉢で頽廃的な風情が、危うい魅力を醸し出していて、目が離せないような魅力を感じていた。
今、列車の中で、彼女がヴォーカルをとり、2月末で、解散した「東京事変」のラスト・アルバム「東京コレクション」を聴いている。
ここでも、椎名林檎の危うい魅力は健在で、特にそのメタリックな声で歌うグリッサンド気味の半音階と巻き舌のもたらす伝法な味わいは、奇妙な官能性を帯びている。
彼女の声には、雨模様のすっきしない朝のモヤモヤを吹き飛ばすような暴力的な力がある。
林檎が本名であれば、リンゴスターのような勢いなのだろうと思ったが、英語ではAppleなわけで、いえいえそういうことではなかったのかと、狼狽して当惑してしまう。
世の中を、ばっさりと切るような感じがする歌は憶えているから、遅ればせながら聴いてみようかな。