2012年 05月 27日
1982年のゴルトベルクと吉田秀和氏の訃報
少し片付けもくたびれたので、何気なくネットでニュースを見ていて、吉田秀和氏の訃報に接した。
98歳。
最後まで現役だった。
吉田秀和氏と丸谷才一氏の二人を、僕は高校生の頃からひそかに師と仰いでいた。
つい先日も丸谷才一氏のエッセイを読みながら、師匠である二人が依然元気で執筆活動を続けていることに感謝しつつも、いつかはこの時が来る事を覚悟しなくてはいけないのだと思っていた矢先の訃報だった。
ここ数日無性にバッハが聴きたくなり、グールド最後のゴルトベルクの録音を聴いている最中にその訃報に接した事は、何だか偶然とは思えないものを感じてしまった。
その活動に深く感謝するとともに、心よりご冥福をお祈りします。
いつだったか、吉田さんが、庄司紗耶香が弾いたシベリウスのヴァイオリン協奏曲のことを非常にほめていて、彼女の演奏を知らなかった僕は疑問に思ったことを思い出しました。その後、庄司を知り、自分の至らなさを恥じたのでした。