吉田秀和さんが、その最晩年に注目していたフランスの女性ピアニスト、リーズ・ドゥ・ラ・サールがリストを弾いたアルバムを聴き圧倒された。
その強靭なタッチは、リストの生まれ変わりかのよう。
しかし、どんなに強いタッチでも音は濁らず明晰である。
超絶技巧の曲でも、単なる音の饗宴に終わる事なく、しっかり内容がある。
「ダンテを読んで」「マゼッパ」等での技巧にも驚くけれど、リスト編曲の「ラクリモサ」や「セレナード」での深い叙情にも打たれる。
ラストの「トリスタン」の官能には胸が苦しくなる程。
これからも来日の機会がありそうなので、次回は是非コンサートに駆けつけなくては。