2013年 09月 02日
『英語で読む村上春樹』が完結
NHKラジオ講座のテキスト『英語で読む村上春樹』を、面白そうだなと思い、毎月購入していた。
(ラジオ番組は聞いていないけど)
今日、9月号を入手し、4月号からの6巻が完結したので、一気に読了した。
テキストには、村上春樹の短編小説の「象の消滅」を英語と日本語の対訳で掲載し、その詳細な説明や、学者や作家・評論家による対談、若手作家による村上春樹へのトリビュート作品を掲載している。
読み込みは丁寧で実に面白いし、第2部の対談もまたとても刺激的である。
4月号の対談では、沼野充義、都甲幸治、古川日出男、石原千秋による対談だけれど、やはり古川日出男の話が(対談からは、少しずれてるけど)実作者ならではの、ひらめきに満ちていて面白い。
例えばこんな発言。
「村上さんというのは器をつくる人だと思うんです。器というのは、小説においては文体です。(中略)普通の日本文学では確かに、その器、そのカップって、もしかしたら既製品かもしれないんです。なぜなら国内の読者しか想定していないから。そんなふうに「国内向け」なので既製品でも使いまわせるんですけれども、村上さんはどうも陶芸作家のように器そのものをつくっている。」
作家の直観は、なかなか面白い。
もう一度、村上春樹の短編を丁寧に読み返したくなってきた。
このNHKのラジオ講座テキスト本、実はIchもドイツ語講座テキスト、聞きもしないのに集めるのが趣味^^ 付録のお話が面白いのです(^・^)