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ドビュッシーのエレジー

ドビュッシーの最晩年のピアノ曲である「エレジー」を初めて聴いた。

2分程の短い曲だけれど、その深い闇にゆっくりと沈みこんで行くような、ため息のような佇まいは、一度聴いたら忘れる事が出来ない。

その和音は、まるでドビュッシーが未来に来てビル・エヴァンスのソロ・アルバムの名作「alone」を聴いてその影響を受けて作曲したかのように、蒼白く孤独な影をまとっている。

音達は冥界を目指すかのようにひたすら下降していく。

最後の音は解決されぬまま静かに消えて行く。

今夜のように心屈して、何一つやりたくないような晩夏の夜に、その音はそっと寄り添う。

時間は後戻りすることなく、失われたものは永遠に戻ることはないのだろうか...
Commented by k_hankichi at 2013-09-07 23:19
この曲が入った音盤を持っていることを思い出して、いま聴いた。ミッシェル・ベロフの練習曲集のCDの付け足しのように入っているけれど、改めて聴くと、こりゃ、普通のドビュッシーじゃあなくて、苦悩の吐露っちゅう感じだ。凄い曲や。
Commented by maru33340 at 2013-09-09 16:32
ここには見知らぬドビュッシーがいるのだ。
by maru33340 | 2013-09-07 21:41 | 未分類 | Trackback | Comments(2)

音楽・本・映画などについての私的な感想


by maru33340
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