10月も早や半ば、暦の上では「寒露」であり、露が冷たく感じられる頃であるはずなのに、連日30度を超える暑さ。
今日は一日半袖で過ごしたけれど、やはり何かがおかしいとしか思えない。
しかし、深く考えるとなんだか次第に恐ろしくなってくるので、今日は本棚の整理をして過ごした。
そうして、秋らしい2冊の本を探し出し、手元に揃えた。
いずれも辻邦生による『嵯峨野明月記』と『西行花伝』。
片や、宗達、光悦、そして角倉素庵を主人公とした絢爛豪華な<嵯峨本>作成をめぐる物語。
もう1冊は放浪の歌人西行の生涯を描いたもの。
いずれも晩秋の気配漂う物語だ。
せめて本の中で秋を満喫することにしようとぞ思ふ。