2015年 04月 24日
本を持たない新幹線の中
新幹線の中の楽しみは、何より音楽を聴きながら本を読むこと。
しかし、今日は鞄に昨夜用意した本(丸谷才一さんの『笹まくら』)を入れ忘れて途方にくれる。
ちょっとした移動でも本がないと落ち着かない活字中毒の僕にとって、本のない2時間はかなり厳しい。
やむなく、ウォークマンでモーツァルトの弦楽四重奏曲ハイドンセット(演奏はジュリアード弦楽四重奏団)を聴き始めた所、何度も聴いている曲なのに、集中して音楽だけを聴くしかないから、「ここが良く歌う第一主題、第二主題は少し弾むような旋律で色合いが変わっている。展開部は確かにモーツァルトとしては構築的で、バッハ・ハイドン研究の跡が見えるなあ。」などと随所に発見がある。
なるほど新幹線の中では「音楽を読む」という聴き方があったか、ということに今更ながら気づいたのは怪我の功名でありました。