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甘美の極みのベートーヴェン

ずっとベートーヴェンの弦楽四重奏曲を聴いていて、最近の一番のお気に入りの曲は、第10番の「ハープ」。

ラズモフスキー・セットと後期の傑作5曲にはさまれて、規模も小さくあまり目だたない曲だけれど、随所に見られる小津映画の伴奏音楽のような歌心に満ちた旋律が心地好く、ベートーヴェンとしては頑張りすぎない大人の余裕を感じさせる所が良い。

こういう曲は、あまりシャープな演奏は似合わないので、僕の最近のお気に入りはモノラル録音によるウィーン・コンツェルトハウス弦楽四重奏団によるもの。

少しグリッサンド気味の弦の響きは甘く響き、アンサンブルもそんなに厳格ではなく、気のあった仲間が集い楽しむという味わいがある。

あの「運命」・「田園」初演の翌年に書かれたので、それらの旋律を彷彿とさせる部分もあり楽しく、古い録音によるウィーンの弦の響きで聴いていると、甘美な菓子を味わっているような気分になる。
Commented by saheizi-inokori at 2015-05-08 10:48
こういう記事を読んでいるとベートーベンの伝記を読んで興奮して友人と語り合った学生時代を思い出します。
Commented by およう at 2015-05-08 11:42 x
触発されました^^ ハープいいですねー!ベートーヴェンの素直な精神が伝わってきます。女性を想う心も(^^♪
Commented by maru33340 at 2015-05-08 20:52
さへいじさん
やはりベートーヴェン。
知ってるようで奥が深いです(^^;
Commented by maru33340 at 2015-05-08 20:54
おようさん
ハープ、繰返し聴いて楽しめる味わい深い隠れた名作です。
もしかするとベートーヴェンの試金石かも知れません。
Commented by k_hankichi at 2015-05-09 00:15
そうなんですよねえ。僕はベートーヴェンの弦楽四重奏曲の全曲をアルバン・ベルクSQでずっと聴いてきたのですが、どの曲を聴いてもなんだか忙しなく、休まることがなく、いつも、つまんないなあ、と思っていた。シャープな演奏は、似合わないのだねえ。

ウエミンのシリーズの方を聴いてみます。
Commented by maru33340 at 2015-05-09 06:32
アルバン・ベルクのベートーヴェンはどうも芝居がかっていてメリハリが利きすぎてるようで、今は聴けないのだよ。
Commented by k_hankichi at 2015-05-09 08:12
maruさん、芝居がかって、とは、まさに言えて妙です。
by maru33340 | 2015-05-08 07:52 | 未分類 | Trackback | Comments(7)

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by maru33340
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