人気ブログランキング | 話題のタグを見る

グレン・グールドにライナスを重ねる

グレン・グールドにライナスを重ねる_f0061531_8242127.jpg

吉田秀和さんの『私の好きな曲』の中の「バッハ/ロ短調ミサ曲」の章を読み返していて、バッハの「平均律」や「インベンション」について「全く孤独な音楽」と語っているのを再発見した。

ここで言う「孤独」というのはロマン派的な意味での孤独ではなく「弾き手であるたった一人の人間があり、聴き手は彼一人であるような音楽」という意味である。

なるほどと思い、朝起きてグレン・グールドによる「インベンション」を聴いていて、「確かにここではグールドは、まるで自分自身のためだけにピアノに向かっているなあ」と改めて実感した。

まるで無心に子どものようにピアノと戯れ歌うグールドの姿を想像しながら、ふいに漫画チャーリー・ブラウンに出てくるライナスのことを思い出した。

ライナスはいつも愛用の毛布をどこに行くときも手放さなかったけれど、グールドもまた彼が愛用していた椅子(わざわざ足を短く切ったとても低い椅子)をどこに行くときも持ち歩いていた。

この二人には「天才性と幼児性の共存」という共通点があるのかも知れないなあ。
Commented by およう at 2015-12-16 10:13 x
その共存はスケートの羽生結弦君にも言えますね^^ くまのプーさん・・・
Commented by k_hankichi at 2015-12-16 19:04
そうなんだね。音楽を自分に対して弾いているのだね。
Commented by maru33340 at 2015-12-18 05:42
おようさん
あ、なるほど(^^)
はんきちさん
そうなんだなあ。そう思って聴くと少し音楽が違って聴こえるような気がするよ。
by maru33340 | 2015-12-16 08:24 | クラシック音楽 | Trackback | Comments(3)

音楽・本・映画などについての私的な感想


by maru33340
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31