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まだクリスマス・オラトリオを聴いても良いから

もともとクリスマス・オラトリオは、12月25日から翌年1月6日にかけて1日ずつ演奏されたらしいから、まだまだ聴いていても良いわけで、今も移動中や部屋で聴き続け、飽きることがない。

クリスマスと言うと日本ではお祭り騒ぎのイメージが強いけれど、ヨーロッパのクリスマスは違うと吉田英和さんが書いている。

「(ヨーロッパの)北国にいると、クリスマスというものの逆説的なありかたとおもしろ味というか、およそキリスト教という宗教に充満している逆説が痛切に響いてくる。世界に希望と光をもたらす人が生まれるのは、夜が長くそうして寒さが厳しい時間、つまり生命にとって一番苦しく暗い時刻であり、その人は万能の救い主であるのに、このうえなくかよわく、なんの防衛力もない赤子として、このうえなく貧しいところで生まれる。光は闇から、そうして力は無力から生じてくる。」

この言葉を読んで、最近バッハの受難曲を聴きながらイエスという人とその物語のまわりをぐるぐると徘徊していた僕は、ほんの少しだけ、その人に近づいたような気がした。
Commented by k_hankichi at 2015-12-31 09:58
「光は闇から、そうして力は無力から生じてくる。」
こういうことなのですね。音楽を聴くことで、このことを祈る気持ちが更に透明になっていく。
Commented by およう at 2015-12-31 10:40 x
吉田秀和氏の文は響きますねー。今年ほど音楽を聴く意味が祈りに繋がって感慨深い日々になりましたことは感謝に至りません。
Commented by maru33340 at 2015-12-31 17:12
はんきちさん
おようさん
本当に今年は祈りとしての音楽を聴き続けた年でした。
来年はどうなるでしょうか…
by maru33340 | 2015-12-30 22:24 | クラシック音楽 | Trackback | Comments(3)

音楽・本・映画などについての私的な感想


by maru33340
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