2017年 10月 03日
ロシア的な、あまりにロシア的な
先日読了したロシアのピアニスト、イリーナ・メジューエワの著書『ピアノの名曲』の中では、バッハやベートーヴェン、シューベルトの名曲について演奏者の立場から平明に丁寧に語られ、目から何枚もの鱗が落ちるような思いだったけれど、彼女がこの本で最も熱く語っているのはムソルグスキーの「展覧会の絵」について。
彼女は「ムソルグスキーはちょっとベートーヴェンに近い。倫理性というか、ある種の理想主義、精神主義みたいなものによって、死を乗り越えていく側面がある。(中略)死をも含めた肯定、全てがその中にある、といったスケールの大きさは、ロシア的だと思います」と語り「この曲の中にロシアの全てが凝縮されている」とまで言う。
そんな彼女の推奨するやはりロシアのピアニスト、ヴァレリー・アフェナシェフによる(ジャケットが怖い!)演奏を昨夜聴いて「なるほどこれはドストエフスキーにも匹敵するような精神的で巨大な音楽だ」と改めて実感した。
一生の内に何度も聴く音楽ではないかも知れないけれど、時にその深淵に触れる事は大切なことかも知れないなあ(^^;
怖いです。
((( ;゚Д゚)))
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