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2018年 05月 05日

編集者坂本一亀のこと

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先日NHKの「ファミリーヒストリー」で坂本龍一の父である編集者の坂本一亀の事を知り、彼の事を持っと知りたいと思って河出文庫の新刊『伝説の編集者 坂本一亀とその時代』(田邊園子著)を一気に読んだ。

面白かった。

敗戦後すぐという熱い(熱すぎる)時代の中、野間宏や椎名麟三、三島由紀夫、高橋和巳等らを見いだし、作家を激励し、威嚇し、叱咤しながら何度も書き直させ厳しく原稿を督促する坂本の激しさは、恐らく今では通用しないだろう。

河出書房新社で坂本の部下だった著者の田邊園子は坂本について「彼は私心のない純朴な人柄であり、野放図であったが、繊細であり、几帳面であり、潔癖であった」と語りながらも、そのあまりの頑迷な仕事ぶりに「坂本一亀を押し入れに閉じ込めて外から心張り棒をかいたい、と何度か思った」と書いている。

1921年生まれで戦争体験のある坂本は「僕にとって戦後は余命だった。もう戦争で死んだという感じがあって、戦後は余命にすぎなかった。でも、多くの同世代の仲間が死んで、その余命は彼らのためにもがんばらねばならないと思った。それで河出に入って同世代の若者を育てたいと思った」と語っている。

時代は大きく変わってしまったけれど、今は失われてしまった熱量に圧倒されながら読了した。
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by maru33340 | 2018-05-05 21:36 | お勧めの本 | Trackback | Comments(4)
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Commented by k_hankichi at 2018-05-06 09:32
ああ、これも手に取りながら買わずにお店を後にしてしまっていた。どうしよう。この自分、どがんとせんといかん。
Commented by maru33340 at 2018-05-06 09:45
僕も一度見送ったのです。
昨日ふと「やはり読もう」と思い立ち入手し一気に読了。
読んで良かったです。
Commented by Oyo- at 2018-05-07 19:08 x
坂本龍一の父上ってそういう方なのですね。なるほどー!^^
Commented by maru33340 at 2018-05-07 22:20
おようさん
なかなか壮絶な人生です。


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