大人のためのラヴェル

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このところラヴェルの音楽にはまり朝晩聴いている。

昨夜ふとラヴェルのピアノ協奏曲も聴きたいと思い「そういえばサンソン・フランソワがピアノを弾いている演奏を持っていたはず」と棚や隠し部屋の山を捜索しても見つからず諦めかけていた時にアンドレ・クリュイタンス指揮パリ音楽院管弦楽団によるラヴェル管弦楽曲全集を見つけた。
「そういえばこれも名演だったなあ」とジャケットの裏を見たら(なんと)そこにフランソワによるピアノ協奏曲も含まれていた。

狐につままれたような気持ちでピアノ協奏曲を聴き始めながら、それがあまりに独特な名演だったことを思い出しグイグイ引き込まれていった。

オーケストラによる生気に満ちた冒頭部分にフランソワのピアノが入ってくる瞬間は、ざわざわしたパリの下町の酒場に、長身長髪でひどく色気のある男がふらりと入ってくる姿を店の他の客が息を飲んで見つめている映画のワンシーンを見ているよう。

そこからは彼の独壇場だ。

激しい憧れ、突然の狂気、孤独と鎮静、そして変転してやまない遊び心…

クリュイタンスのニュアンスに満ちた指揮によるパリ管弦楽団のキラキラした音楽の上を、フランソワはスウィングしながら自由自在に飛び回る。

クラシックやジャズの区別はここにはない。
ここには心の底から歌われた本物の音楽だけがあるのだ。

ただあまりに独特で強烈な毒を持った演奏であるが故に、これを聴いてしまうと他のどんな演奏でも満足出来なくなってしまうのが唯一にして最大の問題ではあるけれど…
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Commented by k_hankichi at 2018-05-20 09:23
おっ、この音盤は僕も持っているような。しかしどこの棚にあるのか同じく分からないのだけれど。聴きたい。
Commented by maru33340 at 2018-05-20 09:44
必死で捜索をしてでも聴く価値ある演奏であったよ。
Commented by Oyo- at 2018-05-20 11:00 x
わお~! 記していらっしゃるラヴェルからフランソワの演奏が見事に聴こえてきます\(~o~)/
最近私心がざわざわしていて音楽が聞けないのですがmaru殿の音盤に心ひかれながら楽しませていただいております^^
Commented by maru33340 at 2018-05-20 12:44
久しぶりのサンソン・フランソワは良かったです!
by maru33340 | 2018-05-20 06:58 | お勧めの本 | Trackback | Comments(4)

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