2018年 08月 15日
「帰ってきた」藤田嗣治
今日は8月15日。
終戦の日。
風邪がまだスッキリせず時折激しく咳き込んでしまうけれど、東京藝大陳列館で開催中の展覧会『1940's フジタトリビュート』の会期が今日までなので、東京都美術館で開催中の『藤田嗣治展』と合わせて見るため上野まで出かけた。
東京都美術館は今日はシルバーデーだったらしく開館前の9時に到着するも既に長い行列が出来ていた。
シルバーデーは65歳以上は入場は無料との事でおそらく98%はシルバーの男女(圧倒的に女性のグループが多い) 。
展示は初期の1910年代の作品は初めて観るものが多く、(戦争画を含めて)各時代の代表的な作品が集められたまさに大回顧展で、彼が学んだ上野の地での開催だから「もし藤田が生きていたなら「凱旋」と感じたかも知れないなあ」等と思い少し複雑な気持ちになった。
藝大陳列館での『1940's フジタトリビュート』にはさすがに人はまばらで芸大生と思われる若い男女が静かに展示を見ていた。
藤田の作戦記録画の代表作《アッツ島玉砕》(今回の都美の展覧会にも出品)が1943年に展示されたのも上野で、当時その《アッツ島玉砕》の横には藤田が直立不動の姿勢で立っていたとの記録がある。
藝大での展示は75年の時を経て上野に「帰って」くる《アッツ島玉砕》と、1949年に離日してから初めて上野に「帰って」くる藤田を迎えるため、画家の小沢剛氏を中心とした作家がトリビュートという形で作品を発表したもの。
8月15日という日に見るのにふさわしく、その歴史的背景を思い、いろんな事を考えさせられる展覧会でした。
まだ会期はあるので是非に!