いつ果てるとも知れぬ長い物語のように

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秋は夜更けにそっと扉を叩く旅人のようにひっそりと訪れる…

アフェナシェフの弾くシューベルトのピアノ・ソナタ18番の冒頭の旋律を聴くと僕はいつも一抹の淋しさと共に、これから訪れる秋を思いだす。

旅人は部屋に入ると暖炉の側にそっと座り、いつ果てるとも知れぬ旅の長い物語を始める。

シューベルトのこのソナタもまた、旅人の語る終わりのない長い長い物語のようだ。

見知らぬ国の人々の喜びや悲しみに耳を澄ませている内にいつしか暖炉の火は消えていて、もう旅人の姿はどこにもない…
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Commented by k_hankichi at 2018-08-19 22:24
シューベルトに耳を傾けていく季節がもうすぐそこまで来ているということを昼間の温もりの残滓がある部屋の中で気づくときに、僕らはもうすでにこの作曲家の胸のうちに入っている。交響曲の「ザ・グレイト」よりも果てしなくどこに向かっているのかわからないような曲想に沿って身を任せているうちにいつしか自分は自分の内面の奥底に連れていかれていることに気づくのは旨いシェリー酒を飲みつづけ相手と話を交わしているうちにいつしか朝陽の一筋が射してきてそこがやはり自分の家の部屋だと気づくことに似ている。(健きち)
Commented by Oyo- at 2018-08-19 23:53 x
その家の中でまだ晩夏ではないのに夏の静けさが遠くから聴こえてくるようなシューベルトの音の響きと共に若き頃の哀愁が心の奥をかすめていき深緑の山々を個性豊かな演奏が通り過ぎていくのでした。(健よう)
Commented by maru33340 at 2018-08-20 07:02
健きちさんに続き、健ようさんまで登場とは(^^;
by maru33340 | 2018-08-19 21:48 | お勧めの本 | Trackback | Comments(3)

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