平然と生きる

先日世界バレー大会女子のテレビ中継で、2016年リオデジャネイロ五輪でサウスポーのエースとして活躍した長岡選手についてこんなエピソードを紹介していて印象に残ったので、忘れない内に備忘録として記録します。

長岡選手は昨年3月、プレミアリーグの試合中に左膝を負傷。前十字靱帯断裂で手術を受けたが1年を超えるリハビリ生活を経て、今期復活した。

彼女はけがの後すぐ、久光製薬時代から指導を受ける日本代表の中田久美監督から電話で「平然と乗り越えろ」と激励されたという。
(中田監督自身選手時代に大怪我をしている)

「頑張れ」でも「この経験を無駄にするな」でもない、「平然と乗り越えろ」という言葉はとても強い言葉だと思う。

そのエピソードを聞きながら僕は正岡子規のこんな言葉を思いだした。

28歳の時に脊椎カリエスと診断されてから寝たきりになり、起き上がってものを書くこともままならなくなった子規が35歳の若さで亡くなる3ヶ月前の言葉だという。

「余は今まで禅宗のいわゆる悟りという事を誤解していた。悟りという事は如何なる場合にも平気で死ぬる事かと思っていたのは間違いで、悟りという事は如何なる場合にも平気で生きている事であった」

いくら辛くても「いま」という一瞬一瞬は生かされている。
(そこから逃れることも出来ない)
その生かされている「いま」を平然と生きることには相当の覚悟が求められるはずだ。

選手生命を絶たれるかも知れない程の大怪我をした彼女に「平然と乗り越えろ」と言うのはとても酷な事だったと思うけれど、その言葉を言い切った中田監督もまたそれを受け入れ復活した長岡選手も、心は禅宗の悟りに近い所にいたのかも知れない。

我もまた(いつかは)かくのごとき心を持ちたいと願う。
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Commented by k_hankichi at 2018-10-10 20:59
ものすごく、じんとくる言葉です。忘れないようにしたい。ぼくも。
Commented by maru33340 at 2018-10-10 22:18
こんな言葉は、私にもなかなか言える言葉ではないと思います。
地獄を垣間見た人間だけが、言える言葉ではないでしょうか。
by maru33340 | 2018-10-10 12:14 | お勧めの本 | Trackback | Comments(2)

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