2019年 10月 12日
『台風の午後に聴く「主題と変奏」』
関東地方は台風の影響で雨はかなり激しくなってきた。
交通機関はほぼ運転を取り止めほとんどの施設は休館し、近くのスーパーも今日は臨時休業。
必然的に家に引きこもるしかなく朝から音楽を聴いて過ごす。
今朝はアンジェラ・ヒューイットの弾くフォーレの「主題と変奏」を聴き始めた。
僕はフォーレのピアノ曲では「夜想曲」が好きで、時に晩年の内へ内へと沈積していき闇の中で沈黙の華が咲いているような世界が好きだから「主題と変奏」のダイナミックな世界には少し距離を置いてきた。
ところが今回の台風による激しい雨風の下では「主題と変奏」の感情の高ぶりがしっくり来る。
アルフレッド・コルトーはこの曲についてこんな風に語ったそう。
「この作品の音楽的な豊かさ、表現の深さ、器楽的内容の質の高さは、あらゆる時代のピアノ音楽のうち、最も希有で最も高貴な記念碑のひとつであることは、まったく疑う余地がない」
なるほど、と思えてきました。