2015年 08月 03日 ( 1 )

イギリス風吉田健一

イギリスの随筆家、ロバート・リンドのエッセイを読んでいて、そこに書かれていることが何とも吉田健一風で嬉しくなってしまった。
こんな文章。
(少し健一風に翻訳)

「たいていの人にとっては、自分たちは結局死ななければならないのだと知っていても、そのために現在生きているという喜びの度合いが減るわけではなくて、詩人にとっては、やがてはしぼむ運命をもった花や、あまりにもはかなく過ぎ行く春をながめるとき、世の中が美しく見えるので、五月の自然の美しさも、これをながめているあいだにも美しさが失われていくことを知っているから、いよいよ詩人の心を動かす。」

その喜びをいつまでも味わうことが出来ないと知っているからこそ、ひとしおそれを愛惜するという感じ方が、いかにも吉田健一なんだなあ。
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by maru33340 | 2015-08-03 11:11 | お勧めの本 | Trackback | Comments(3)

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