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2018年 10月 09日 ( 1 )

22の無伴奏の記憶

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誰のものとも違う自分だけの文章で描かれた22の肖像。

ここにはなにものにも寄りかからず飄々と漂いながら時も場所も自在に往き来するような不思議な浮遊感があり、生きている人も死んでしまった人も同じようにとらえどころがない。

画家、野見山暁治の『みんな忘れた』に出てくる22人の中で名前だけを知っている人は半分くらい。

しかし、名前を知っているからと言ってその人のことを知っているとは言えない。
少なくともこの本に書かれている小川国夫や秋野不矩の姿を僕は知らなかった。

それでもこの本を読めば、野見山暁治の語った22人のことを忘れることは出来なくなる。
まるで彼の記憶が自分自身の記憶に上書きされるような不思議な気持ちになる。

「みんな忘れた」という言葉に惑わされてはいけない。

すべての記憶は今ここで生まれたばかりのような姿で生きているのだから。
by maru33340 | 2018-10-09 07:20 | お勧めの本 | Trackback | Comments(3)

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