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2018年 10月 28日 ( 1 )

「資生堂書体」という遺伝子のこと

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「資生堂書体」という書体がある。

資生堂という会社の漢字の表記や広告、様々な展覧会のタイトルなどにも使われているこの書体は、画家の小村雪岱が基礎を作り資生堂を代表するデザイナー山名文夫によって完成された。

今でも資生堂の宣伝デザイン部門に配属された新人クリエイターは手書きで「資生堂書体」が書けるよう練習を重ねる。

面白いのはこの書体には、止めや払い、縦横のバランス、カーブの描き方などの基本的なルールはあるけれど、それは習字の教科書のようにそのままなぞるべきお手本ではなくて、基本ルールさえ守れば最終的な文字の形はデザイナーに委ねられているということだ。

つまりは書き手の数だけ「資生堂書体」がある。

ふと気がついたのだけれど、この事は先日引用した、福岡博士が遺伝子について書いていた事と極似している。

博士曰く、
「遺伝子は私たちを規定し、運命づけているように見えるけれど、それは楽譜の音符のように使う音の高さと長さを指定しているだけだ。つまり各細胞で使うべきミクロなパーツのカタログを与えているにすぎない」

時々僕は「資生堂書体」を説明する時に「この書体は資生堂の遺伝子を後世に伝えている」という説明をしていたのだけれど、それは生物学的にも正しい説明だったのかも知れません。

(*写真は資生堂公式フェイスブックより)
by maru33340 | 2018-10-28 18:27 | お勧めの本 | Trackback | Comments(2)

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