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カテゴリ:お勧めの本( 1686 )

歌の時代に

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音楽を聴いていると時折「マイブーム」の波が訪れる。

大学生の頃はマーラーがマイブームになり、朝晩マーラーの音楽三昧。
その後、シューマンやブラームスの時代を経てフランス音楽に目覚め、ドビュッシー、ラヴェル、フォーレの音楽にはまった。
40代にはようやくバッハの時代が来る。

マイブームは曲や演奏形態の時もあり「春の祭典」ばかり聴く時期や、ベートーヴェンのピアノ・ソナタや弦楽四重奏曲を初期の作品から毎日順番に聴いたりした頃もあった。

そして今は「歌」の時代が来たようで、フォーレの歌曲全集やイギリスやスペインのルネサンス時代の歌曲、レハールの《メリー・ウィドウ》など時代や国を問わず人の声が心に沁みる。

昨夜銀座の山野楽器で見つけたラヴェルの歌曲《シェエラザード》(ジャネット・ベーカー歌、バルビローリ指揮フィルハーモニー管弦楽団による演奏)もまた、ラヴェルの「まだ見ぬものへの憧れ」が香り立つようで、聴いていると陶然とした心持ちに誘われる。

繊細でありながらドラティックなジャネット・ベーカーの歌声とそれを支えるバルビローリの音楽の優しさに満ちた演奏もまたこの夢見るように美しい歌曲にとてもふさわしい。
by maru33340 | 2019-05-21 05:44 | お勧めの本 | Trackback | Comments(2)

ジョン・エリオット・ガーディナーによるウィンナ・ワルツ

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先日神保町の「ササキレコード」で少し変わったアルバムはないかなと探していて、ジョン・エリオット・ガーディナー指揮ウィーン・フィルの演奏による《メリー・ウィドウ》全曲と《ウィーンの夜会》というウィーンの作曲家の舞踏曲をテーマに選んだ曲を収録したアルバムを見つけた。

ガーディナーといえば僕にはバッハの指揮者というイメージしかなかったから、ウィーン・フィルとの共演によるオペレッタとワルツの組み合わせにはちょっと驚いたけど、何となく気になり入手し、今朝部屋の片付けをしながら聴き始め更にびっくり。

良いのです、とても。

いかにもガーディナーらしい切きびきびとしたリズムも心地良く、それでいてウィーンの音楽特有のしなやかな味わいにも欠けていない。

正月以外にウィンナ・ワルツを聴きたいと思ったことはなかったけれど、ガーディナーによるワルツなら一年中聴きたくなりそうです。
by maru33340 | 2019-05-18 10:10 | お勧めの本 | Trackback | Comments(2)

卒業の記念に

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還暦&卒業記念として、このブログの約1年分の投稿を元に自費出版で本を作成することにしました。

本文はほぼ校了間近。

今回の本を作るにあたり表紙の絵を(大変厚かましくも)版画家の柄澤齊さんにお願いしました。

柄澤さんは日本の木口木版画の第一人者で、僕が仕事をしていた資生堂アートハウスでもその作品を収蔵しており、初めてその版画作品を拝見して以来ファンになり、何度か個展にもお邪魔しました。

柄澤さんは本の装丁の仕事もされていて「いつか自分が本を出すような機会があったら柄澤さんに絵を書いていただければ…」と夢を描いていたのですが、今回の本を出すにあたり思いきって絵を描いていただくことをお願いした所、快く引き受けていただきました。

(実は柄澤さんは三島由紀夫全集や辻邦夫さんの本の挿画のお仕事もされていて、一介の会社員である僕の卒業記念の本のお仕事をお願いすることは厚かましいにも程があるのですが…)

先月、柄澤さんの個展に伺った際に、今回の本のタイトルを『クラシック音楽と本さえあれば』と決め「表紙には出来れば「本を読む若い頃(写真の頃)のグレン・グールド」をテーマに肖像画を書いていただけますか?」とお願いしました。

そして昨日、その絵が届きました。

繊細で知的でありながら、子どものように純粋な表情で読書を楽しんでいるグレン・グールドの横顔を描いたとても素敵な絵です。

本は6月初旬には完成の予定です。

完成の暁には(本文はさておき)是非柄澤さんの絵をご覧いただければと思います。
by maru33340 | 2019-05-13 08:02 | お勧めの本 | Trackback | Comments(3)

やはり野に置け蓮華草

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昨日、京都への旅の最終日の午前中、京都国立近代美術館で河井寛次郎の作品を見ながら、河井寛次郎記念館で見た時にはとても好ましく思えた寛次郎の作品が美術館ではどこか寒々しく見えて、それは何故だったのだろうと京都からの帰りの新幹線の中であれこれと想いを巡らせた。

一つには照明の問題があると思う。

これは東京国立近代美術館で安田靫彦の日本画を見た時にも感じたのだけれど、LED照明にさらされた安田作品は、隅々までくっきりと見えるけれど、どこら寒々しく思えてしまった。

安田靫彦がどのような環境で作品を描き、どんな場所で作品を見てもらいたいと思っていたかはわからないからこれは想像で言うしかないけれど、おそらく少し翳りのある日本家屋の部屋で見る時に一番美しく
映るように描いたのではと思う。

同じように、河井寛次郎記念館はそこで実際に寛次郎が作品を作り暮らし眺めた場所だから、そこで寛次郎自身が見て美しいと思っていたはずで、やはり美術館のLED照明の下ではどこか白々しく、見ていて違和感を感じてしまったのかも知れない。

もう一つの理由は作品の数だろうか。

昨日、寛次郎の初期から晩年の作品まで数多くの作品が並んでいるのを見ながら「人が一度に見続けて美しいと感じることが出来る作品数には限度があるのかも知れない」と感じた。
どんなに美味しい食べ物でも食べ続ければいつかは嫌になってしまうように、人の視力や聴力にも一度に許容出来る限度というものがあって、それを超えてしまえばいつかは(どんなに素晴らしい作品であろうとも)見ることや聴くことが苦痛になってしまうのかも知れない。

もちろん作品は作られた場所でしか美しく映らないということではないけれど(そんなことを言ったら美術館で作品を見ることは出来ないから)、少なくとも作品毎に見るのにふさわしい環境や数というものがあるのかも知れない、などと思う朝です。
by maru33340 | 2019-05-06 06:34 | お勧めの本 | Trackback | Comments(6)

令和元年の聴き初めはバッハで

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令和元年の聴き初めはバッハの「ロ短調ミサ曲」で。

この曲には、厳粛な祈りと祝祭感が見事に共存していて今日という日にふさわしいよう。
ここには深い悲哀からはじけるような悦びまでいわばバッハの全てがあり、聴き返す度に音楽を聴くことの悦びに満たされる。

演奏はトーマス・ヘンゲルブロック指揮、バルタザール=ノイマン合唱団、フライブルク・バロック・オーケストラ(1996年録音)で。
管弦楽と合唱の透明で柔らかい響きがとても美しい。
by maru33340 | 2019-05-01 07:52 | お勧めの本 | Trackback | Comments(3)

一人卒業旅行へ

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この4月に還暦となり、今月末に定年を迎えるので、この機会に、少し長いおやすみをもらい、以前から気になっていた祖先のルーツを訪ねて車で但馬から播州地方への一人旅に出かけた。

初日は天橋立から伊根の舟屋を経て城崎温泉に1泊。

2日目に城崎から更に先の但馬の七釜温泉という場所にあるという祖先が開いたという禅寺を訪ねた。
寺は山奥にひっそり佇んでいたけれど、由緒書きには確かに祖先の足跡が記されていた。
寺を立ち去ろとすると一羽のコウノトリが現れ、これは祖先がその鳥の姿となって僕を迎えてくれたのではと思う。

そこから余部鉄橋に立ち寄り但馬海岸の絶景を眺めてから、出石を経て最後は竹田城に登る。
山頂からの眺めと例年より遅い満開の桜に感動で声を失いました。

3日目は姫路城を眺めてから兵庫県の龍野市を初めて訪ねる。
映画『男はつらいよ』のロケ地にもなった龍野は、そこだけ時間が止まったような懐かしい風景で心癒されました。

最後は丹波篠山まで足を伸ばし町中を散策し母の家へ。

振り返れば、1日平均8時間(約500㎞)の運転を3日間続けたことになり、もう一度同じ道をたどれと言われてもおそらく出来ないと思いますが、今回の卒業旅行で還暦と定年という人生の一つの区切りに句読点を打てた気持ちになりました。





by maru33340 | 2019-04-18 16:47 | お勧めの本 | Trackback | Comments(4)

懐かしさに泣きそうになるベートーヴェン

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久しぶりにベートーヴェンの「七重奏曲」を聴く。
ベートーヴェン初期の傑作で発表当時から人気があったけれど、本人としてはいつまでも「ベートーヴェンと言えば「七重奏曲」」と言われることに不満だったよう。

確かに常に自己を超え高みを目指し、実際に恐るべき高みに達してしまった彼からすれば、いつまでも「七重奏曲」が代表作と言われることには耐えられなかっただろうと同情はする。

けれど、久しぶりに聴いて、やはりこの曲の明るく親しみやすい愉しさは比類がなく、人気があったのも良くわかるし、何となくだけど、ベートーヴェンがもっと長生きをしていたら、この音楽のような悦びに満ちた音楽をつくったんじゃないかと思ったりもします。

演奏は、バリリ弦楽アンサンブルとウィーン・フィルハーモニー木管グループによる1954年の録音。
今から65年も前のモノラル録音だけど聴くのに全く支障はなく、むしろその柔らかく優しい音色を聴いているとあまりの懐かしさに泣きそうな気持ちになります。
by maru33340 | 2019-04-13 08:17 | お勧めの本 | Trackback | Comments(4)

『出張時の疲労に関する第一法則』

今週は月曜火曜で広島出張。
昨日は東京まで日帰り。

日頃は新幹線「こだま」乗り、掛川と東京を往復する機会が多いけれど、広島に向かうためには「のぞみ」に乗らなくてはいけない。
僕はその「のぞみ」の速さと速さゆえの小刻みな揺れが身体に合わないようで、乗ると軽い船酔い状態になり、その後しばらく体調が優れない。

そしてふと
「疲労は距離に比例し、速度に反比例する」
という『出張時の疲労に関する第一法則』を発見した。

すなわち「長い距離を移動すればするほど(当然ながら)疲労は増加すると共に、移動スピードが速ければ速いほど、逆に疲労が増す(短時間になれば良いというものではないという気持ちを「反比例」という言葉で表現)」という法則です。

その点「こだま」はそんなに速度は出ないし、途中の駅で数分停車したりするから人間の身体に優しい。
時々、途中駅での待ち時間がかったるいなあと感じたりしたけど、そんな事を思っちゃいけないのでした。

ごめんね、「こだま」。


by maru33340 | 2019-04-12 06:25 | お勧めの本 | Trackback | Comments(3)

松田聖子の声のこと

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先日広島への出張で少し疲れたので、早めに帰宅し何気なくラジオをつけたら、松田聖子のアルバム『Touch Me,Seiko』の特集番組が流れていた。

番組を聴きながら、大学生の頃、まだ蒲池典子という名前でラジオ番組のパーソナリティーをしていた頃の松田聖子の声を聴き「この人はいつか大スターになるのでは」と思っていたら、1980年にデビューし、あっという間にスターダムに登って行ったことを昨日のことのように思い出した。
デビュー曲『裸足の季節』が資生堂のCMソングだったのも(その時はまさか自分が資生堂に入るなんて想像もしていなかったから)やはり縁があったのかも知れません。

このアルバム『Touch Me,Seiko』は彼女のB面の曲だけを収めた1984年のアルバムで、実は名曲の宝庫。
彼女の代表作『赤いスイートピー』のB面『SWEET MEMORYS』や、僕が最も好きな曲『制服』作詞:松本隆、作曲:呉田軽穂(ユーミンのペンネームですね)も収められている。

松田聖子という歌手の一番の良さである華やぎの中ある哀しみに満ちた声が最も生きているのはこの頃で、聴きながら35年という時を一瞬のうちに飛び越えるような気持ちになりました。
by maru33340 | 2019-04-11 08:06 | お勧めの本 | Trackback | Comments(2)

花冷えの朝に金沢を思う

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花冷えという言葉がふさわしいここ数日。
咲き始めた桜も満開になるのを戸惑っているような風情。
例年なら一気に満開になり早く散ってしまうのを少し惜しむけれど、なかなか咲き誇らないのもまた少し興醒めのように感じるから人間というのは自分勝手なもの…

そんなことをぼんやり思いながら、今朝は、アンネ・ゾフィー・フォン・オッターとエルビス・コステロによるアルバム『For the Stars』を聴く。

これは金沢に赴任していた頃見つけたアルバムで、フォン・オッターの柔らかく心地好い声が良く、コステロとのchorusも心に沁みるまさに大人のためのポップスアルバム。

短い金沢での一人暮らしの日々の中、桜咲く春に聴き、柔らかい雨の降る5月や秋の夕暮れ、音もなく降る雪景色を眺めながらも聴いていたから、今でもこのアルバムを聴くと金沢の浅野川のほとりでの静かな日々を思い出します。
by maru33340 | 2019-04-04 07:13 | お勧めの本 | Trackback | Comments(4)

音楽・本・映画などについての私的な感想


by maru33340
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