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強いばかりが男じゃないと…

ピョンチャンオリンピックは(テレビがあまりに「日本、日本」と連呼するから)ほとんど見なかったけれど、カーリング女子のイギリスとの3位決定戦はついつい引き込まれて最後まで見てしまった。

印象的だったのは最終エンドでイギリスのミスショットで勝利した瞬間の日本選手の表情。

あんなに笑顔に溢れていた日本選手が勝利の瞬間、唇を噛み締めるような(泣きそうな)表情をしていた。

ルールを知らない僕は「え、日本負けたのかな」と思ったけれど、後でその理由を知った。

(これは日本の選手だけなのかも知れないけれど)カーリングには「相手のミスで勝った時には(相手の気持ちを考え)喜びをあらわにしてはいけない」という不文律があるとのこと。

スポーツマンシップと言えばそれまでだけど、他のスポーツではあまり見ない光景だ。

勝つことは(日々の尋常ならぬ)努力の結果だから、大変尊いことだと思う。

しかし、勝者の裏側には必ず敗者がいる。

そんなことを考えながら、古い古いこんな歌の歌詞をふと思いだした。

「浅草の歌 」

強いばかりが男じゃないと
いつか教えて くれた人
どこのどなたか 知らないけれど
鳩といっしょに 唄ってた
あゝ浅草の その唄を

作詞
サトウハチロー(昭和22年)

 
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by maru33340 | 2018-02-26 20:49 | お勧めの本 | Trackback | Comments(3)

永井荷風という人のこと

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昔から何故か永井荷風という人が好きで荷風関連の本が出るとついつい買ってしまう。

それでいて大概の本は通読されないまま本棚に並ぶことになるけれど、新しい荷風本を買うと本棚から取り出し時折その表紙を眺めているだけでちょっと良い気分になる。

荷風の持つノスタルジックな雰囲気がこちらの心を少し慰めてくれるからだろうか…
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by maru33340 | 2018-02-26 07:58 | お勧めの本 | Trackback | Comments(3)

映画は記憶の中に

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川本三郎さんの新刊『映画の中にある如く』を入手。

川本さんの映画評は映画への愛に溢れていて楽しい。

この本にはオマケに川本さんの自筆原稿の写しが付いている。

彼は今も原稿は手書きでパソコンもインターネットもされず、あの圧倒的なreferenceは「記憶」によるものだそう。

わからないことがあるとついGoogle検索に頼る身としてはちょっと反省です(^^;
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by maru33340 | 2018-02-25 08:35 | お勧めの本 | Trackback | Comments(2)

彼もまた一人のエヴァンゲリストだった

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音楽学者の礒山雅氏が昨日逝去された。

学生時代マーラーとフランス音楽ばかり聴いていた僕が中年になって忽然とバッハに目覚め最初に読んだ本が礒山氏の著者『バッハ 魂のエヴァンゲリスト』でした。
一昨日久しぶりにこの本を読み返したくなり本棚の奥から探しだして机に置いたばかりだったのですが…

氏の学識は深く不勉強な僕はまだその入り口にさえ入れない未熟な一介のバッハ初心者だけれど(その著者を通じて)ひそかに師と仰いでいました。

礒山雅氏もまたバッハの音楽の素晴らしさを僕たちに伝えてくれた一人のエヴァンゲリストでした。

今日は氏が高く評価されていたグスタフ・レオンハルト指揮による「マタイ受難曲」を聴きながらご冥福をお祈りしたいと思います。
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by maru33340 | 2018-02-23 08:04 | お勧めの本 | Trackback | Comments(3)

バックハウスが触れたその鍵盤に…

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昨日バックハウスが実際に弾いていたベーゼンドルファーのピアノによる演奏会を聴いてその分厚く深みのある音色に魅せられ、家にあるバックハウスのベートーヴェンのピアノ・ソナタのCDを探しだし聴き始めた。

1959年から1963年にかけての録音だからちょうど僕が生まれた頃。

そのジャケットにも写っているバックハウスが弾いていたピアノと同じ楽器から出てくる音を、昨日60年近い年月を経て生で聴いたのかと思うと、今まで何度か聴いてきた(実は僕はあまり良いバックハウスの聴き手ではなかったけれど…)このCDの演奏が俄然親しくより良いものに思えてくるから不思議です。

二枚目の写真の鍵盤にバックハウスの指が触れたかと思うとそっと内緒でその鍵盤に触れたくなる衝動に襲われました…
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by maru33340 | 2018-02-19 06:52 | お勧めの本 | Trackback | Comments(3)

バックハウスのピアノ

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今日は掛川の「かねもティーカルチャーホール」で開催されたベンジャミン・フリスのピアノリサイタルへ。

広島にある原爆に被災したピアノを弾くために初めて来日したフリスが掛川に来たのには訳がある。

ここにはあの往年の巨匠バックハウスが弾いた1898年製のベーゼンドルファーがあるのだ。

全てのピアニストが模範とするベートーヴェンピアノ・ソナタ全集がこのピアノで演奏されたのかと思うと深い感慨が沸いてくる。
(そっとその鍵盤に触れたくなる衝動をようやく抑えた)

ベーゼンドルファーの中低音が充実した深々とした響きは身体の奥にまで染み渡るよう。
ショパン、ブゾーニ、ベートーヴェン…何れも奇をてらうことのない正統的な美しい演奏。

贅沢な時間を堪能しました。

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by maru33340 | 2018-02-18 20:01 | お勧めの本 | Trackback | Comments(4)

マーラー、再び

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友人から「最近アマチュアオケの演奏によるマーラーの交響曲9番を聴いた」という話を聞いて久しぶりにマーラーの音楽が聴きたくなった。

マーラーは10代の頃僕が最初にはまった作曲家。
それこそ熱に浮かされたように寝ても覚めてもマーラーばかり聴いていて、実演にも随分通った。

昨夜本当に何年かぶりにバーンスタイン指揮ニューヨーク・フィルによるマーラー交響曲9番を聴き10代の頃のあの熱い胸のたぎりが甦ってきた。
(そういえば今年はバーンスタイン生誕100周年の年でした)
今朝は1番「巨人」、2番と聴いて胸踊らせている。

どっぷり共感しながら聴いていた若い頃と違い「あれから40年」の今聴くとマーラーの音楽は追憶の甘さに溢れた郷愁の音楽に聴こえます。
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by maru33340 | 2018-02-18 10:24 | お勧めの本 | Trackback | Comments(4)

かくのごとく

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昨夜からズスケ弦楽四重奏団によるベートーヴェンの弦楽四重奏曲(ラズモフスキー1番)を聴き始めて改めてその演奏の素晴らしさに打たれる。

ピンと張りつめていながら強ばっていない。
しなやかに歌いながら情に流されていない。
甘くないけれど深い味わいがある。

かくのごとく生きて行きたいとふと思う冬の朝です。
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by maru33340 | 2018-02-17 08:37 | お勧めの本 | Trackback | Comments(2)

変わらない日本といふもの

ピョンチャンオリンピックは見ていないけど、昨日ニュースで銀メダルを取った小平選手と銅メダルを取った高木選手が(金メダルを取れなかった悔しさからか)憮然とした表情で表彰台に立つ姿を見ながら4年前の2月15日のブログにこんなことを書いていたのを思いだした。

今も全く同じ気持ちです。


「ソチから帰国した高梨沙羅さんが記者のインタビューに答えて「申し訳ない気持ちで一杯」と答えている。

いったい誰に謝る必要があろうか。

毎日の練習に耐え数々の優勝も重ねて、もう充分じゃあないか。

「国民の期待」などというものに対して謝るのだったらやめようじゃないか。

それでは円谷幸吉じゃあないか。

そんなものを背負って飛んだりして、メダルを取れなかったからといって謝ったりするのはもうやめようじゃないか」

変わらない日本、です。
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by maru33340 | 2018-02-15 07:55 | お勧めの本 | Trackback | Comments(3)

冬の朝の『時間』

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冷たさが指先にまで染み透るように寒い朝、山の端が少し明るく染まるのを眺めながらふと吉田健一の作品『時間』の冒頭の文章を読み返したくなった。

「冬の朝が晴れていれば起きて木の枝の枯れ葉が朝日という水のように流れるものに洗われているのを見ているうちに時間がたっていく。どの位の時間がたつかというのではなくてただ確実にたっていくので長いのでも短いのでもなくてそれが時間というものなのである。」

何度も読んだ文章なのに読み返す度に「良いなあ」と思う。

この文章にはこの本の主題が全て現れていて、この一冊の長編評論はこの主題による変奏曲なのかも知れなくて今まで一度も最後まで読み通せたことはないのに、生涯で一番好きな本であり続けている。
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by maru33340 | 2018-02-14 06:55 | お勧めの本 | Trackback | Comments(3)

音楽・本・映画などについての私的な感想


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