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久しぶりの「ティル・オイレンシュピーゲル」

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昨年来からジョージ・セル指揮による演奏を聴きながら「セルの演奏ならリヒャルト・シュトラウスの「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」がぴったりはまるだろうなあ」思っていた。

昨夜Amazonで届いたリヒャルト・シュトラウスの2枚組のCDに収められた「ティル」を日帰り出張で東京に向かう新幹線の中で聴きながら、予想を遥かに上回る素晴らしい演奏を楽しんでいる。

とても良く切れる名刀のような切れ味、向こうが透けて見えるほど透明なオーケストラの色彩感、そして(少し意外なことに)セルの演奏には巧まざるユーモラスな味わいがあることもこの音楽にふさわしい。

若い頃、名演と名高いドイツの指揮者の演奏で「ティル」を聴いて「この音楽のどこが愉快なんだろう」と首を傾げて以来久しぶりにこの曲を聴いて「あ、やはりこれは愉快な音楽だったのだ」と納得しました。
by maru33340 | 2019-01-30 10:37 | お勧めの本 | Trackback | Comments(2)

青い光

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おとといNHK Eテレで放送された「日曜美術館」の特集はアンリ・マティス。

その番組の最後に紹介された、マティスが晩年手掛けた、南仏の町ヴァンスに建てられたロザリオ教会のステンドグラスの青に心ひかれた。

確かそこに射し込む光に似たような清潔な音楽があったはずと思いだしたのが、ルネサンス時代のスペインの作曲家ビクトリアの「レクイエム」。

こんなに至純にして透明な音楽にはなかなか出会うことはないだろうと、思います。
by maru33340 | 2019-01-29 21:55 | お勧めの本 | Trackback | Comments(2)

「マ・メール・ロワ」からの呼び声

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昨夜。

ふとロト指揮によるラヴェルの「マ・メール・ロワ」が聴きたくなり、その精緻でみずみずしい演奏を聴きながらなんとなく気になり調べてみたら、今から107年前の1912年の昨日1月28日は「マ・メール・ロワ」(バレエ版)の初演日だと知った。

数ある音楽の中から「マ・メール・ロワ」(バレエ版)を、初演日に、それも初演時の楽器によるロト指揮による演奏で聴きたくなるというシンクロニシティに少し驚く。

こういう事は最近になってよくおきて、突然グールドの音楽が聴きたくなり後でその日が彼の命日だったり、シベリウスの音楽が聴きたくなったら彼の誕生日だったり…

感覚的には「何かに呼ばれている」という感じで、小林秀雄なら「今の人はそういうことを迷信などと馬鹿にしますがね、はたして近代人は幸福になったろうか。迷信を信じた古代の人間の方が遥かに豊かな人生を送ったと言えないだろうか」と(あのちょっと甲高い志ん生のような調子で)語るかも知れない。
by maru33340 | 2019-01-29 06:57 | お勧めの本 | Trackback | Comments(3)

「嵐」よりルグランを

昨夜の大坂なおみの全豪オープン優勝は素晴らしかった。
(7時のニュースのすぐ後放送されたからそのまま最後までリアルタイムで見たから尚更)

今日の玉鷲の初優勝も泣けた。
(皆、場所前はあんな大騒ぎした稀勢の里のことは忘れていたけど…)

しかし、今夜のNHKの7時のトップニュースは「嵐」の(来年末の)活動中止のことだった。

「嵐」には好感を持っているし、役者としての二宮君は凄いと思う。

でも、それがNHKのトップニュースにふさわしいとは(どうしても)思えない…

僕にはそれよりも昨日今日はフランスの作曲家ミッシェル・ルグランの逝去のことが一番のニュース。

ルグランと言えばやはり映画『シェルブールの雨傘』の音楽を思い出す。

様々な色彩の傘を上から映し出す冒頭のシーンからすぐにその世界に引き込まれ、全編が歌によって綴られる甘美で痛切な物語の音楽の美しさは(撮影当時21歳のカトリーヌ・ドヌーブの奇跡的なまでの美しさと相まって)僕には忘れがたい映画となった。

昨夜はフランスの名歌手ナタリー・デセイとミッシェル・ルグランとの大人の魅力に満ちたデュエットを聴きながら彼のことをしのんだ。

世の中の関心事と僕(たち)の関心事には大きなギャップがあるみたいだけど…
by maru33340 | 2019-01-27 19:25 | お勧めの本 | Trackback | Comments(4)

セルによるフランス音楽は

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指揮者ジョージ・セルの音楽を聴く旅はフランスへ。

僕にはセルとフランス音楽というイメージが重ならなかったけれど、このドビュッシーの「海」とラヴェルの「ダフニスとクロエ」等を収めたアルバムは繰り返し聴くにつれ面白くなってきた。

セルの音楽はここでもやはり明晰で、隅々までピントが合った高解像度の写真のように各パートの楽器の音がくっきり聴こえる。

また、一つ一つの楽器に音楽が受け渡される部分が実に精緻で、鍛えられ練習を重ねた400メートルリレー選手のバトン渡しのように無駄がなく美しい。

ここにはフランス音楽からイメージする独特の空気感はないけれど、清潔で透明なクリスタルのような色彩感に溢れていて、ぐっと冷え込んだ今日の朝の陽射しによく似合います。
by maru33340 | 2019-01-26 08:30 | お勧めの本 | Trackback | Comments(4)

見上げてごらん夜の星を

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金星と木星は今朝最も接近するとのことで、明け方マンションのベランダに出て空を眺めたら、スマホのカメラにもはっきりと映る位に二つの星が綺麗に光っていた。

頭の中で坂本九の歌「見上げてごらん夜の星を」のこんな歌詞が聴こえてきました。

見上げてごらん 夜の星を
小さな星の 小さな光が
ささやかな幸せを うたってる
見上げてごらん 夜の星を
僕らのように 名もない星が
ささやかな幸せを 祈ってる

とても寒いので早々に部屋に引き上げたけれど(^^;
by maru33340 | 2019-01-23 06:45 | お勧めの本 | Trackback | Comments(3)

セルのモーツァルトは

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昨年末にジョージ・セル指揮クリーブランド管弦楽団によるベートーヴェンの交響曲に魅せられ、以来セル指揮によるブラームスやドヴォルザーク、シューマンの交響曲を聴き続けていて、どの演奏も楽しんでいる。

先日はモーツァルトの交響曲集を入手し聴き始めたら、これもまたはじめてモーツァルトを聴いたかのような新鮮な魅力に満ちている。

そういえば吉田秀和さんが確かセルのモーツァルトについて書いていたなあと思いだし『モーツァルトをきく』の中にこんな言葉を見つけた。

「ちっとも通俗的でなくて、甘ったるくなくて、むしろ必要にして充分なことを、しかしまた、はしのはしまでていねいにはっきりと演奏しているだけで、ほかのことは何もしないのに、毅然として雄々しく、高雅にして、時には壮重でさえある音楽」

これはセルの「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」について書かれた文章だけど、セルのモーツァルトを的確に表現している。

吉田さんはこんな風に続ける。

「(セルのモーツァルトは)感情を音につめこもうとするところがなく、すべては音から生まれてくる表現によって、きくものを魅惑する歌になっている」

この表現はモーツァルトだけではなく、セルの演奏によるベートーヴェンにもドヴォルザークにもブラームスにもあてはまるよう。

またまだセル指揮による演奏を追いかける旅は続きそうです。
by maru33340 | 2019-01-18 08:14 | お勧めの本 | Trackback | Comments(2)

一つの時代の終わりに

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窓から部屋に射し込む朝陽の影が陽炎のようにゆらゆらと揺れている。

立春まではまだ半月ほどあるけれど、陽射しにも空気にも時折柔らかい春の気配がまじるようになってきた。

昨年から今年にかけて、尊敬しお世話になった先輩や同級生の訃報に接すること多く、昨夜も社会人になって以来ずっとお世話になっていた先輩が昨年末に亡くなられていたと知った。

ドラマや映画で親しんでいた役者の訃報にも、かつてこんなに接した記憶がない程。

平成の終わりと共に時代が大きく変わろうとしているのでしょうか…
by maru33340 | 2019-01-16 21:08 | お勧めの本 | Trackback | Comments(2)

どこまでも澄みわたったブラームス

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昨日今日の静岡地方は気持ち良い青空が広がり風もない春のような穏やかな天気。

電車の中や家では、最近気に入っているジョージ・セル指揮クリーブランド管弦楽団によるブラームスの交響曲を聴く。

明るく清潔なセルの音楽がブラームスの新しい一面を見せてくれる。

その透明感はセザンヌの晩年の少し塗り残しのある風景画のような爽やかさに溢れていて、そのあまりの透明感に哀しくないのに涙が出そうになってくる。
by maru33340 | 2019-01-14 10:10 | お勧めの本 | Trackback | Comments(4)

食べ物の本についての本は

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この『味見したい本』は、食べ物についての本ではなく、食べ物の本についての本。

昨夜、面白くて一気に読了。

著者の木村衣有子さんの本は初めて読んだけれど、文章が良いし、引用が冴えていて、取り上げられている本を次々に読みたくなる。

吉田健一の『酒談義』からは、こんな文章が引用されている。

「犬が寒風を除けて日向ぼっこをしているのを見ると、酒を飲んでいる時の境地というものに就いて考えさせられる。そういう風にぼんやりした気持ちが酒を飲むのにいいので、自暴酒などというのは、酒を飲む趣旨から言えば下の下に属するものである」

ううむ、なるほど、そうだなあ。
by maru33340 | 2019-01-13 08:29 | お勧めの本 | Trackback | Comments(4)

音楽・本・映画などについての私的な感想


by maru33340
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